地図づくりは、国土防衛の立場から近代日本の発展に深く関わった技術です。また、戦後においては荒廃した国土の復興事業の根幹に関わる役割を担いました。
また、国際政治の緊張が人工衛星による測量技術を長足に進歩させます。 GPS測量は国際政治の安定と世界平和の一翼を担っていると言っても過言ではありません。軍事目的で開発された技術ですが、ナビゲーション等、民生の分野における活躍はめざましいものがあります。
国土調査等、国土の有効活用にも測量技術は不可欠です。測量は常に時代の先導的役割を果たしながら発展してきた分野といえます。当社の社歴に色濃く反映されています。
基準点測量とは、地球上の位置や海面からの高さが正確に測定された三角点、水準点、電子基準点等を基に新しい基準点を設置します。あらゆる事業を行う際の根幹となる測量となります。
従来の三角測量に代わって登場しました。別名トラバーズ測量、導線測量とも呼ばれます。多角点(トラバーズ点)を結ぶ折れ線の連続を多角路線といい、1つの既知点Aから出発し、次々に折れ線の長さとその間の夾角をはかって逐次に多角点の座標を求めていく測量手法です。かつての伊能忠敬もこの手法を使っていました。後述のGPS/GNSS方式が登場するまではこの測量が主体でした。
GPS方式(測量)とは米軍が開発した人工衛星GPSから送信される電波を利用していましたが、平成23年よりロシアのGLONASSなども併用されるようになり、米軍以外の人工衛星を含む総称がGNSSと呼ばれるようになりました。
3次元データ(緯度・経度・標高)の取得が可能で観測点間の見通しが不要です。天候に左右されることなく、高精度の基線測定が可能となりました。
日本の土地の高さ(標高)は、東京湾の平均海面を基準(標高0m)として測られています。東京湾の平均海面を地上に固定するために設置されたのが日本水準原点です。全国の主要な道路沿いに設置されている水準点の高さは、この日本水準原点に基づいて水準測量により決められ、この水準点がその地域において行われる高さの測量の基準となります。
精密な水準測量では高低差を0.1mmまで求めています。水準測量は、2地点に標尺を立て、その中間に水準儀を水平に置いて、2つの標尺の目盛を読み、その差から高低差を求めます。この繰り返しで、水準点間(約2km)の高さを求めます。
水準測量に使用される測量機器は進化を遂げましたが、高精度に高さを求める基本的な測量方法は今も昔と変わっていません。
測量全般の応用または総合によって、道路、河川、公園等の計画、調査、実施設計、用地取得、管理等に用いられ、目的に応じて組み合わせて行われる測量です。地形図などによる地図計測に基づく路線選定、土工量測定、面積および体積測定なども含まれます。
路線測量とは、線状構造物(道路や水路のような幅に比べて延長の長いもの)を建設するための調査、計画、実施設計等に用いられる測量をいい、中心線測量、縦断測量、横断測量までの一連の測量を総称して路線測量といいます。
各工種に沿った高精度な管理区分の中で作業を行います。
河川測量とは、各種河川工事の設計施工に必要な基礎資料を得るために行うもので、河川の形状や水位、深さ、断面、流速等を測定し、平面図、縦横断図を作成します。
洪水、高潮等による災害防止等のために行われる調査や、河川の適正利用、流水の正常な機能等、維持管理等に必要とされる資料を得ることができます。
河川、水路形状の新設や改修に伴う測量は路線測量と同様に高精度な管理区分の中で作業を行います。
河川、貯水池、湖沼又は海岸において、水底部の地形を明らかにするため、水深、測深位置又は船位、水位又は潮位を測定し、水底部の図面を作成する測量です。
水深の測定には音響測深機が用いられますが、水深が浅い場合はロッド又はレッドを用い直接測定により測量されることもあります。測深位置又は船位の測定は、ワイヤーロープ、TS等又はGNSS測量機のいずれかを用いて行われます。
平面図当地形図を作成する目的で行う測量のことを地形測量と呼びます。地形図における地形や地物の細目を記入するため細部測量にあたります。以前は平板測量が主流でしたが、現在では写真測量やトータルステーション(TS)による測量、レーザースキャナによる測量、前項のGNSSによる測量等によって行われています。平板測量、空中写真測量、修正測量、写真図の作成、地図編集等に区分されます
土地の所有者や地目など土地に関する情報や境界等について調査して、用地土地の取得・売買等に必要な各種確認書類及び図面を作成する測量のことを用地測量といいます。
3次元測量とも呼ばれています。地形や構造物など計測対象物の寸法情報を、専用器械によって3次元的に計測する手法です。
UAVとは無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle)、通称ドローンのことで、UAV測量は建築業界改革であるi-Constructionに準拠する手法として注目されています。
従来の測量に比べて、測定やデータ収集にかかる時間と費用を大幅に削減することが可能となります。また、航空写真から3次元地形データを取得できるため、CIM (Construction Information Modeling)のためのデータとして活用し、土木構造物建設の効率化を図ることも可能です。
ドローン測量にも「写真測量」と「レーザー測量」二種類あります。
写真測量は測量地を上空から撮影し、その写真を基に3Dデータ化し分析する手法です。メリットはコストが安い点、デメリットは精度が低くなることや測量地によっては測量が困難である点です。草木が多い場所やそれらが風に揺られるような状況では測量精度が大幅に下がってしまいます。
レーザー測量は、ドローンに搭載されているレーザーを測量地に向かって照射します。照射されたレーザーが測量地にあたりドローンの機体へ返ってくる反射時間を計測する手法です。メリットは精度が高く、前述の写真測量では精度が下がってしまうような草木の多い場所でも測量できる点ですが、高コストという点がデメリットとなります。
スキャナーから商社されたレーザーによって3次元空間位置情報データを収集し、3D形状表現、モデリング、図面化できる装置です。測量対象物へ進入せずに離れた場所からの計測が可能なので、触れたり近づいたりできない計測物が多い重要文化財などの測量に適しています。また、車の行きかう道路や急傾斜地などの危険が伴う箇所の測量を行う作業員の安全も確保することができます。
道路台帳や、上下水道台帳、道路施設台帳、砂防台帳などの各種台帳の調査、整備、更新等業務を行います。各種台帳は道路台帳であれば道路を管理するための概略図や情報が掲載されており、改修時等の説明書や概要書のようなものになります。
内容に不足部があれば現地へ赴き、測量することとなります。