木製防護柵は、従来型の防護柵に比べ極めて高価な製品であるが、間伐材を利用した林業促進及び景観の調和などを念頭に平成10年頃から導入され始め、平成15年位から近年に至り施工実績件数が年々増加しているのが現状である。特に長野県、和歌山県、宮崎県などにおいては、数多く採用され木材特有の温もりを感じさせる地域景観の形成に役立っている。
京都府においては、府内の供用されている道路敷内に安全施設として木製防護柵を設置された実績件数が無いため、今回試験施工的に当該業務の発注がなされた。当該業務を遂行するに当たっては、国交省から出版されている『景観に配慮した防護柵の整備ガイドライン(案)』に基づき、現在既に実用化されている各種木製防護柵について、特性、強度、景観性、維持管理及び施工事例などについての総合評価を行い、その特性を考慮し丹後地区を代表とする木製防護柵設置箇所として相応しいと思われる『観光地』、『景勝地』、『国立公園指定地域』及び『都市公園内の路線』など数箇所の抽出を行い、選定された路線の内2箇所について詳細設計を実施した。
なお、木製防護柵は導入されてから現在までの経過年数が短いため、施工後における維持管理対策として懸案となる事項の抽出や今後の課題に対する提案などを伏せて行うとともに、施工実績のある自治体や取り扱いメーカーによる施工後の追跡調査及びチェックシートなどの資料の整理を行い、今後、木製防護柵の品質及び施工性の向上などに対し具体的に反映出来るよう京都府に対し提案を行った。 |